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◆歌舞伎座「吉例顔見世大歌舞伎」(25日千秋楽)
今、旬の役者一番は尾上右近(34)だ。立役・女形を兼ね、清元節の栄寿太夫を襲名して8年。現代劇やテレビ出演にと八面六臂(ろっぴ)の活躍。つい先月には自主公演・研の會の10回を区切りに走り抜けたばかりだ。
今月は通し狂言「仮名手本忠臣蔵」のA・BプロのAプロで立役の塩冶判官、女形のBプロでは勘平女房おかるを勤めている。大役のともに初役。おかるに着目した。
最初が六段目・勘平腹切の場。続いて七段目・祇園一力茶屋の場。六段目では勘平を元の侍に戻したいと身売りする。その別れの場面。戸をゆっくりと閉める工夫、「わたしゃもう行きますよな」と、手拭いをくわえて嘆く芝居。風情と色気が出て何ともドラマチックな一景になった。
七段目は酔い醒ましに二階座敷の障子が開いて遊女の姿を見せる。なんかもう、艶(つや)っぽく美しい。団扇を使う身のこなしが色めいていた。
尾上松緑が演じる兄・平右衛門から、殺害された父と勘平の腹切を聞かされた瞬間、「え~ッ」と体を大きく反り返って驚く。「兄さん、どうしよう、どうしよう」という嘆きの強さも独特。勘平への一途な強い愛情を描く芝居が印象に残った。
貪欲で芸熱心さが分かる舞台姿。大好物のカレーを燃料に二刀流、三刀流はどこまで野心的な挑戦を続けるのか。楽しみは尽きない。(演劇ジャーナリスト)
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スポーツ報知
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