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「地獄パワーにふれる、異国情緒の宿」をテーマとした、長崎県にある星野リゾートの温泉旅館「界 雲仙」に、俳優でフォトグラファーの染谷ノエルが訪問。そこでの体験を2回にわたってレポートします。1回目は大浴場や客室付き露天風呂、そして豪華な夕食をご紹介。「雲仙地獄」と地続きの「界 雲仙」で、目の前に広がる地獄のパワーを感じながら温泉を満喫できますよ。長崎ならではの和華蘭文化を取り入れた設えにも注目です。
「界 雲仙」は、星野リゾートが全国に展開する温泉旅館ブランド「界」の 22 番目の施設として、2022年11 月に、長崎県・雲仙温泉にオープン。九州内では5つ目、長崎県では初進出となる界ブランドです。
地の底から吹き出す蒸気と熱気が辺り一面を覆い尽くす雲仙地獄の近くに位置し、地獄パワーにふれられるようなアクティビティが充実しているのが特徴。
また雲仙温泉は、日本が鎖国していた時代に、出島にあるオランダ商館医のケンペルやシーボルトを通じて海外諸国に紹介されたことから、海の向こうの国々とも歴史的な繋がりがある地。「和(日本)」「華(中国)」「蘭(オランダ)」の要素が混ざり合った長崎文化を表現した、館内の設えにも注目です。
公式サイトをチェック >色鮮やかで大きなステンドグラスが印象的な、まるで教会の中にいるような内風呂。朝日が差し込む時間帯には、色とりどりの光が湯面や内風呂全体に映り込み美しく輝くので、朝の入浴がおすすめです。
空間いっぱいに広がる檜の香りと優しい光に包まれながら、心満たされる1日の始まりを体験してみては。
内風呂には、源泉かけ流しの「あつ湯」と、心身ともにリラックスできる「ぬる湯」の浴槽があるので交互に入ることもできます。
また、その日の天気によって温泉の色が透明に見えたり白色に見えたりするらしく、温泉マニアには堪らないのだとか。
地獄の湯けむりを望むロケーションにある露天風呂は、岩組みのワイルドな雰囲気。源泉は、内風呂も露天風呂も、目の前にある雲仙地獄から湧き出た鉄と硫黄分を含む酸性の温泉です。
特に露天風呂では、あたり一帯に広がる独特な硫黄臭に包まれながら、雲仙温泉の恵みを堪能できます。
訪れた時には雨が降っていて、肩まで浸かりながら耳元で聞こえる雨音に風情を感じました。晴れた日の夜には、満天の星を見ることもできます。
「界 雲仙」の温泉は、長湯をすると体が疲れてしまうことがあるため、短めの入浴が推奨されています。
入浴前には「温泉いろは」に参加。湯守りが、大きなイラストが描かれたタペストリーを使って、雲仙温泉の歴史や泉質などについて解説してくれます。
界ブランドの他の施設では紙芝居を使っている所が多いのですが、「界 雲仙」は天井にまで届きそうな大きいタペストリーが3つもあり大迫力!地元の人が描いたというイラストがとても可愛らしいです。
最後には施設のすぐ近くにある実際の地獄に足を運びます。かつては駐車場だった場所で、駐車場が浮いて見えるとの報告があり、地面を剥がしてみるとここも雲仙地獄の一部だった、という興味深いエピソードが。
「界 雲仙」には、「客室付き露天風呂」という特徴的な部屋があります。
「露天風呂付き客室」ではなくあえて「客室付き露天風呂」と名付けているのは、部屋の半分以上のスペースが、露天風呂と湯上がり処になっている、まさに露天風呂を楽しむための部屋だから。
濡れたままでの使用もできる湯上がりチェアに腰をかけ、目の前に広がる景色を眺めながらのんびりと休憩。
硫黄の香りを感じながら体を休めていると温泉地に来たんだなあと実感でき、また温泉に入りたくなって温泉に浸かる…。滞在中何度もプライベートな空間で露天風呂を満喫できます。湯上がりチェアで体を休めていると、あまりの気持ち良さにウトウト。
目の前には雲仙地獄。モワモワと蒸気が出ていたり、霧がかっていたりなど、日によって見える景色が違うのも楽しみの一つです。
お部屋を華やかに演出してくれるのは、オランダから伝わった硝子工芸品であるステンドグラスのパーテーションと長崎ビードロの照明。
色鮮やかでキラキラとしていて、とっても可愛いらしい!
ルームキー(写真右)にはステンドグラスのキーホルダーが。お土産のキーホルダー(写真左)と並べて撮影してみました。
どちらも、手作りならではの味わいがあります。
「界 雲仙」の全51室がご当地部屋「和華蘭(わからん)の間」です。
かつて日本で唯一海外に開かれ、様々な人や文化が上陸した長崎。和(日本)、華(中国)、蘭(オランダ)との交流の中で、長崎独自の文化が育まれてきました。そんな長崎の文化である和華蘭の要素を取り入れたデザインが特徴です。
特別室は特に広々とした空間になっていて、4名まで宿泊可能。大きな窓があり開放感もあります。テラスに出て、温泉を眺めながらゆったりすることも。
スタンドライトはステンドグラスをモチーフにし、鮮やかな赤や青の色合いを日本文化である和紙を使って表現しています。
「お着き菓子」は長崎といえばのカステラ。「界 雲仙」と福砂屋とのコラボレーションで、オリジナルのおしゃれなパッケージです。
長崎の焼き物である「波佐見焼」も飾ってあります。
夕食は、楽しみながらいただける先付け「“鬼やらい”湯せんぺい 豚角煮リエット」から始まります。雲仙温泉の名物「湯せんぺい」の上に、鬼が描かれた紙が乗って提供されるので、「この一年悪いことが起きませんように」と願いながらその鬼を目掛けて木槌で叩きます。
叩いて割ったほんのりと甘い湯せんぺいに、リエットにした豚角煮をつけていただきます。相性バッチリです。
煮物椀で出てきた「桜餅の海老射込み」は、蓋を開けた瞬間、桜の香りがフワッと漂います。味も美味しく、香りも美味しく、何だか心がほっとします。
酢の物・八寸・お造りを一緒に盛り合わせた「宝楽盛り」。卓袱(しっぽく)料理の丸い円卓をイメージした朱色の器で提供されます。
卓袱料理は、「卓袱」という中国風朱塗りの円形テーブルの上に数人分の料理を盛りつけた大皿が並び、みんなで円卓を囲んで食べる、和華蘭文化を反映した長崎発祥の宴会料理です。
「あご」はトビウオのことで、長崎県では出汁を正月の雑煮で使用するなど、親しみのある食材です。上品な旨みを感じるあご出汁に、フグや伊勢海老、牛肉などをくぐらせ、出汁とともに楽しむ「あご出汁しゃぶしゃぶ」。
豪快に盛り付けられた伊勢海老はインパクト大で、身はプリプリでとても美味しくペロリと完食!締めには島原名物のうどんを入れ、最後の一滴まで、あご出汁を味わい尽くします。
今回は、大浴場や客室付き露天風呂、そして豪華な夕食などをご紹介しました。
「界 雲仙」で体験できるアクティビティを紹介した記事も、併せてチェックしてみてくださいね!
界 雲仙の予約はこちらから! ><住所>〒854-0621 長崎県雲仙市小浜町雲仙321
<TEL>050-3134-8092(9:30〜18:00)
<駐車場>あり(屋外・無料)
<車>長崎自動車道「諫早IC」から約60分
<電車・バス>JR九州「諫早駅」から路線バスにて約90分、「雲仙」バス停から徒歩で約1分
※この記事は2023年3月の取材内容に基づき執筆されています。時期により、イベントや食事などの内容が変更になっている可能性があります。詳細は「界 雲仙」にお問い合わせください。
星野リゾートの温泉旅館「界」をチェック >染谷ノエル(Noel Someya) / 俳優・フォトグラファー
東京都出身。演劇を学ぶため中学卒業後に単身渡英し、ノーサンプトンのBosworth Independent Collegeなどに通う。4年半後に帰国、上智大学にて英文学を専攻。在学中より劇団、東京ジャンクZに所属、舞台俳優のキャリアは15年目を迎える(2023年時点)。写真は留学中、"Photography"の授業がきっかけで本格的に取り組むようになった。旅や日常をドラマチックに切り取る表現を得意とし、雑誌やWEBメディアなどでの作品掲載多数。 撮影、執筆、被写体の三役をこなすキャリアを活かし、取材、連載などでも活躍する。
Twitter: @noel_engeki
Instagram: @noelle.s12
STAFF
Photo&Writing:Noel Someya
Edit:michill編集部
この記事のライター
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