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大勢で賑やかに楽しむのもいいけれど、時には大切な人と2人で美味しいものを味わいたい。そういうときにぴったりな隠れ家風のお店「29ロティ」を紹介します。様々な種類の生ハム、珍しい食材を使った料理、料理にぴったり合う日本酒やワインがいただけるお店です。
大塚の駅から離れた住宅街にひっそりとあるお店、「29ロティ」は、カウンター5席と4人掛けのテーブルが1つの計9席しかない小さなお店。こんな小さなお店だからこそ、店主がこだわり抜いて探した美味しい食材を、とてもいい状態でいただくことができるのです。
こちらのお店の看板メニューは生ハムです。常に7〜8種類が用意されています。バラ肉だったり肩ロースだったり頬肉だったりと部位も様々ですし、熟成する際にオレンジを使ったりスパイスを使ったりと、製造方法も様々。どれを食べようか迷ってしまう時は、盛り合わせスペシャル(3000円)で、この中から5種類をいただくことができます。
今回は、プロシュット・ディ・パルマの24ヶ月熟成、グラン・カッレ・アッラランチャというオレンジの風味の生ハム、パンチェッタという豚のバラ肉の生ハム、グアンチャーレという豚頬肉のスパイシーな生ハム、コッパという豚の首周りの肉を使った生ハムをいただきました。
生ハムは向こうが透けて見えるほど薄く削がれた状態で提供されます。豚の脂が口の中にとろけて広がるため、生ハムを一番美味しく味わえるのがこの薄切りですが、美味しい状態で食べることが難しくもあります。
生ハムに含まれる豚の脂は、原木から切り出され空気に触れた瞬間から酸化が始まるので、空気に触れる面が多い薄切りは美味しく保つのが難しいのです。これまでにもし生ハムを食べて美味しくないと感じたならば、それは酸化したものを食べたか、酸化しないように薬品処理が施されたものを食べたからかもしれません。
29ロティではそのようなことがないよう、注文が入ってから生ハムを切り、切り終わった瞬間に提供するので、脂がフレッシュな状態で口にすることができます。このため最高の美味しさが味わえるのです。
いつも生ハムに、ワインを合わせていませんか?実は生ハムには燗酒もとてもよく合います。
豚の脂が溶ける温度は摂氏27~40度です。冷たいワインで口の中を冷やしてしまうと、脂が口の中では溶けきらず、脂の美味しさを味わう前に喉を通ってしまいます。燗酒で口の中の温度を高めにしてから生ハムを食べると、口全体に豚の脂の甘さがふわっと広がって、豚本来の美味しさが楽しめます。豚の脂は、オレイン酸やステアリン酸など美容に効く脂なので、しっかり味わっていただきたいですね。
29ロティは生ハム以外のお料理も厳選された素材の美味しいものが用意されています。
燻製サバのリエット。燻製の香りが香ばしく日本酒によく合います。
生ニシンの麹漬け。麹の甘さと柔らかい舌触りが優しい味。
チーズオムレツ。とろっとしたチーズとふわっとした卵が美味しい。
ダチョウのレバ刺し。ごま油がレバーのクセを食べやすく抑えています。
羊のユッケ。お肉を噛みしめるたびに羊の香りが楽しめます。
窒息鳩の半身焼き。レバー、ハツ、ササミと、各部位に分けて提供されます。
サイクロークイサーン。タイの発酵ソーセージ。添えてあるポン酢で和えられた新鮮な野菜もさっぱりとして美味しいです。
チーズ2種。トム・デ・クロカンツ・アフィネ(フランスの濃厚なチーズ)とロッコロ・ディヴィーノ(イタリアのワインの搾りかすをまぶして熟成させたチーズ)
ネパール山椒の焼きうどん。山椒がほんのりピリリとして、もちもちのうどんと高相性。
超肉パスタ。程よい塩気が締めの一品にぴったり。
大塚駅から細い道を徒歩7〜8分歩いたところにあり、入り口もぱっと見ただけでは飲食店と分からない、ひっそりと佇む「29ロティ」は、親しい人との距離が更に縮まる特別な時間を過ごせるお店です。
この記事のライター
琴市しづか
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会社員ブロガー。得意技は「もやもや」や「なんとなく」を言語化すること。趣味は野球観戦と旅行と美味しいものを食べること。美味しいお店の中でも、人通りの少ない裏通りにひっそりと存在する小さなお店が大好きです。「こんなところにこんなに美味しいものが!」という感動を探して、日夜歩き回っています。20代のうちに47都道府県全てを訪れた旅行好きで、旅先の名産を食べることは生き甲斐の一つです。
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