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赤ワインにオレンジやレモンなどの柑橘類、シナモンやクローブなどのスパイスを入れ、砂糖やハチミツで甘みを加えた温かいカクテルのひとつ、モルドワイン。寒くなる季節に、スパイスの力で体を温めるモルドワインのレシピとアルコール以外でも楽しめる飲み方をご紹介します。
ヨーロッパや北アメリカなどの地域で好んで飲まれており、日本ではホットワインとも呼ばれています。英語圏ではモルドワイン、ドイツではグリューヴァイン、フランスではヴァンショーの名前で、秋冬の訪れと共に各国で親しまれています。
スパイスの香りと成分が溶け込んだモルドワインは体を温めてくれ、バーやカフェはもちろん、屋台でも飲むことができ、モルドワイン片手に屋外のマーケットで買い物をする人や公園で散歩をする人の姿を目にします。温めることでアルコール分も蒸発し低くなるので、気軽に楽しめる飲み物です。
使用するスパイスの種類には決まりはありませんが、欠かせないのはシナモンとクローブ。シナモンには傷ついた毛細血管を修復する作用が、クローブには、胃腸の調子を整える作用があるので、血行が良くなり体を温める効果があります。
他にも独特の甘い香りのスターアニスは、薬膳でも知られる八角茴香のことで、貧血予防に期待が出来ます。肉料理やお菓子にも使われ、甘い風味のナツメグとオールスパイスは新陳代謝を高めます。
また、爽やかな香りをプラスしたい時には、風邪予防に良いとされるカルダモンを、ピリッと辛みを効かせたい時には、ブラックペッパーや生姜、時には少量の赤唐辛子を使うこともあります。
モルドワイン用にミックスされた、モリングスパイスと呼ばれるスパイスバッグも販売されていて、家庭でも気軽に楽しめます。
好みに合わせて、スパイスの種類と量を自由に組み合わせれば、オリジナルの手作りモリングスパイスも作ることができます。
スパイス以外にもオレンジやレモンなどの柑橘類の皮や輪切りにしたものを一緒に使いますが、これらを乾燥させたタイプを使って作り置きすれば、飲みたい時にワインや他の飲み物と合わせて、簡単に作ることができます。
使いやすいよう1回分ずつ、お茶用紙パックなどの小さな袋に入れたり、チーズクロスのような食品用ガーゼに包んだり、まとめて瓶に入れたりと、見た目も可愛く保存ができます。材料は、ホールのまま使用しても良いし、長いシナモンスティックは、少し砕いたり、ドライオレンジも小さく切ったりとアレンジも自由です。
赤ワインにモリングスパイスと砂糖やハチミツなどの甘味料入れて作るのが一般的なモルドワインですが、フィルターを通さない無濾過のりんごジュースと一緒にコトコトゆっくり火にかければ、ニューヨークアップルサイダーに。アルコールの苦手な方やお子様にもおすすめです。
他にも紅茶と一緒に煮だせば、フルーティーなスパイスティーにもなります。パウダー状のモリングスパイスをビールと一緒に軽く温めたモルドビールもあります。
・赤ワイン 1本(750ml)
・オレンジ 1個
・シナモンスティック 4本(1本は7cm)
・スターアニス 1個
・オールスパイス 8粒
・カルダモンポッド 5粒
・クローブ 5粒
・砂糖 30g~適量
・飾り用オレンジスライス 4枚
オレンジは良く洗ったあと、鍋に湯を沸かし10~15秒ほど湯にくぐらせてから取り出す。
清潔なスポンジ等を使って、流水で擦りながら洗い、汚れや農薬を落としたら、6~7mm位の幅の輪切りにする。
カルダモンポッドは、包丁で縦に切れ込みを入れておく。
① 小鍋に、飾り用オレンジスライス以外の材料を全て入れたら、火を点ける。
② ときどきかき混ぜながら、中火で鍋の内側が沸々してくるまで温める。
③ 火を弱火にし、約10分温め、砂糖が溶けていることを確認して火を止める。
④ 耐熱グラスに注ぎ、オレンジスライスを飾って出来上がり。
長めに火にかければ水分が飛び奥深い味わいになります。軽めに召し上がりたい方は、オレンジジュースやりんごジュースを加えても美味しいです。バニラを加えれば濃厚な風味に、レモンやライムでスッキリした後味に。お好みの味を見つけてアレンジを楽しんでくださいね。
この記事のライター
ナチュラルフード・コーディネーター
茂木奈央美
8050
海外生活を経て、インドアグリーンスタイリストに。現在は、「日常と非日常を楽しむ食事」をテーマにナチュラルフード・コーディネーター、環境アレルギーアドバイザーとしてレシピ作成、カフェメニューのプロデュース、スタイリング、セミナー等を中心に活動中。自身が撮る写真が評価され、ニューヨークやロンドンで展示の経歴あり。料理を通して、毎日の生活シーンを心豊かに暮らせるヒントとレシピをお届けします。
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