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湯種パンをご存知ですか?「湯種仕込み」なんて聞くと、手間がかりそうに聞こえますが、実はとても簡単に作れるんです。湯種製法で作ったパンは、独特の甘みともっちり感が特徴!今回は手軽に作れて美味しい湯種パンの作り方をご紹介します。今回のレシピを作るのにかかる費用はなんと120円!ぜひ試してみてくださいね。
「湯種仕込み」や「湯種製法」の表記はパン屋さんでも見かけますが、そもそも湯種ってなに?という方も多いのではないでしょうか。
湯種とは、小麦粉に熱湯をかけて糊化させたもののことを指します。糊化されたデンプンは粘り気が出てきて、おもちのような状態になります。
「糊化した生地=湯種」を本ごねの際に加えることで、もちもちとした食感だけでなく、デンプンの甘みが増し、美味しいパンを焼き上げることができるのです。
作り方をご紹介する前に、湯種製法でつくる食パンの特徴をまとめてみましょう。
・もっちりとした食感になる。
・甘みやうま味が増す。
・時間がたっても生地がパサつきにくい。
良いところだらけの湯種製法ですが、デメリットをあえて挙げるなら、少しだけ時間と手間がかかります。
湯種が完成するまでには糊化させたデンプンを12時間ほど休まる必要があるため、パンを作る前日から生地を熟成させなければいけないのです。
とはいえ、作業自体は簡単なのであまり負担にはならないので安心してくださいね。では早速湯種パンの作り方をご紹介します。
今回は扱いやすい水分量の塩入り湯種を使い、100均でも購入できるステンレスパウンド型で焼くレシピをご紹介します。
通常の食パン用型に比べ、ステンレスの型は焼き色がつきにくい面はありますが、しっかり焼き込むことで充分美味しいパンを作ることができます。また 少なめの生地量なので捏ね上がりも早く何ともかわいらしいサイズ♪
身近な道具と少ない労力で気軽に楽しんでいただけるよう、記事内では、失敗しない作り方のポイントなどもお伝えします。
材料(17cmパウンド型1台分)
〇湯種
強力粉 40g
塩 3g
熱湯 30g
〇本捏ね
強力粉 140g
ドライイースト 3g
砂糖 18g
牛乳 50g
水 50g
無塩バター 16g
前日に湯種を作っておきます。
湯種パン独特のもちもち食感を得るにはこの工程がとても大切です。前日に糊化作業をしておきましょう。
① 耐熱容器に湯種分の強力粉、塩を加え箸でザッと混ぜる
② 沸かしたての熱湯を注ぎ箸を握りぐるぐると混ぜる
③ まとまってひと塊になったら生地をラップに包み粗熱がとれたら冷蔵庫に入れる
ベースの生地をつくっていきます。
うまく生地を混ぜるポイントは水分の扱い方です。ポイントで詳しくご紹介するので、チェックしながら作ってみてくださいね。
① 18~20cm程のボウルに本捏ね材料の強力粉、砂糖、ドライイーストを加える
② ざっと混ぜたら人肌に温めた牛乳+水を加え(大さじ1程取り分けておく)スケッパーやゴムベラで粉っぽさがなくなるまでよく混ぜる
③ 乾燥しないようラップをかけて10分放置する
・分量の水分を一部取り分けておき、控え目の水分量で捏ねたあと 残りの水分を追加していくと同じ水分量でもベタつきが少なく捏ねやすくなります。
・粉と水を合わせたあとすぐに捏ね始めずに10分程置いておくと 粉の吸水と共にグルテンの形成が進み扱いやすい生地に。少ない労力で捏ね上げることができます。
次に湯種をベースの生地に馴染ませていきます。
均一に混ざるように、しっかり生地をこねてくださいね。
① まな板に生地を取り出しちぎった湯種を加え捏ねていく。最初は縦方向に。湯種を生地にしっかりなじませる
② 利き手側を前に伸ばし戻しを繰り返しまとまってきたら取り分けておいた水分も加えていく。
③ 捏ねるうちベタつきが和らいだらまた水分を追加する
④ 最終的に水が全量入ったら、バターも加え握るように生地に馴染ませる。
⑤ バターが馴染み生地がまとまってきたら、生地の端を持ってまな板に軽く叩きつける。
➅ 面を変え数回。両手で上から生地を覆いV字の往復でころころと転がしながらつるんと滑らかになるまで捏ね上げる。
・バターを加えると最初は生地が分離したようになりますが 、気にせず捏ねましょう。次第にまとまりやわらかな扱いやすい生地になります。
・少なめの生地量(粉量200g以内)なら、まな板などの省スペースでも充分捏ねられます。下に滑り止めマットなどを敷くとストレスなく捏ねられます。
軽いと生地がくっつき持ち上がってしまうので、重めのまな板がおすすめです。環境に合わせて工夫してみて下さいね。
生地を発酵させていきます。
湯種入りの生地は、焼き始めてからの膨らみが控えめです。二次発酵をしっかりとることで、焼いた時にふっくら綺麗に膨らむようになりますよ。
① 生地を丸め直し、ボウルにラップをしてあたたかいところで2倍の大きさになるまで一次発酵させる。この間に型に油脂を塗っておきましょう。
② ボウルから生地を取り出し総重量を計り3分割にする。
③ 生地を丸めて、濡れ布巾をかけ10分程休ませる。
④ 表面を張らせ丸め直し型に入れていく。両端→真ん中の順に。
⑤ 乾燥しないよう濡れ布巾をかけ二次発酵させる。
・湯種入りの生地は焼き始めてからの膨らみが控えめです。二次発酵をしっかりとるようにしましょう。
・丸めた生地をそのまま型に入れて焼くと、底の部分に生地同士の隙間ができやすいので 、型入れ後、生地を上から軽く押さえると良いです。
いよいよ生地を焼いていきます。
オーブンの余熱をしっかりおこなってから焼いていきましょう。
① 生地が発酵し、型から頭を出し始めたら天板ごとオーブンを予熱する(200℃)
② 型から2cm程頭が出る程度発酵したら、お好みで表面につや出しの牛乳を塗り(分量外)200℃の温度で20分程焼成
③ 焼き上がったら型ごと高いところから落とし蒸気を抜く
④ 側面をトントンと叩きながら型より生地をはがし取り出す
⑤ 網の上で冷まし粗熱を取る。
・ 焼き色がつきにくい型のため(特に側面) 予熱時に天板も一緒に温めておいてください。
綺麗に焼きあがりました♪
焼き立てをパカッと割っても。冷めてからカットしてもOKです。
しっとりやわらかな食感と甘味。湯種パンは日持ちしますが、モチモチ感や甘みを味わうには、やはり作り立てが一番。
そのままでももちろん美味しいですが、トーストでカリっと焼いてバターをたらすのもおすすめです。好みに合わせてアレンジして湯種パンを楽しんでくださいね。
いかがでしたでしょうか。
湯種パンは意外にも簡単につくることができます。失敗しない作り方のポイントもご紹介しましたので、ぜひ湯種パンつくりにチャレンジしてみてくださいね。
ちなみにお米文化の日本人には、パンの中でも、もちもち食感の湯種パンが最も親やすいといわれてるんです。
手軽につくれる湯種パンで、ぜひ食卓を囲んでみてくださいね。
・湯種製法とは、小麦粉に熱湯をかけて糊化させたもののことを指す
・湯種パンは、甘みやもちもちとした食感、日持ちするのが特徴
・前日に準備は必要だが、湯種パンは基本的に手軽に作ることができる
・湯種入りの生地は焼き始めてからの膨らみが控えめ。二次発酵をしっかりおこなうのがポイント
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この記事のライター
ぷちみみん
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創作パン研究に勤しむ2児の母。ユニークな似顔絵ちぎりパンや簡単成形のキュートな動物パンなど、ひらめきとご縁を大切に日々生まれるパンやお菓子たち。どこかで美味しい楽しい時間に繋がれば。blogやinstagramにてアイディアを発信中。
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