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UXデザインの視点を取り入れたいと思っても、何から手をつければいいのかわからず迷ってしまう方は多いのではないでしょうか。
UXデザインは、デザイナーだけの専門スキルではありません。ユーザーの体験を軸にサービスや仕事の進め方を見直す考え方として、企画やマーケティング、カスタマーサポートなど、さまざまな職種で重視されはじめています。
そこで重要になるのが「UXデザインプロセス」です。これはユーザーの課題を理解し、体験を形にしながら、検証と改善を重ねていくための考え方や進め方を指します。
この記事では、UXデザイン初心者の方でもイメージしやすいように、UXデザインプロセスの考え方と設計の7ステップを具体例とともに解説します。未経験からUXデザインスキルを身につけ仕事に活かしたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
UXデザイン(ユーザーエクスペリエンスデザイン)とは、ユーザーがサービスやプロダクトを利用する中で感じる体験全体を設計する考え方です。見た目のデザインだけでなく、「使いやすいか」「迷わず行動できるか」「安心して利用できるか」といった感情や行動まで含めて考えます。
UXデザインプロセスは、ユーザーにとって心地よい体験を生み出すために、段階的に考え・検証していく流れのことです。ユーザーの課題を理解し、体験を設計し、検証と改善を繰り返すことで、感覚に頼らないUX設計ができるようになります。
UXデザインプロセスと似た言葉に「デザイン思考プロセス」があります。どちらもユーザーを中心に考える点は共通していますが、目的や使われる場面には違いがあります。
デザイン思考プロセスは、新しいアイデアや価値を生み出すための思考フレームです。課題発見から発想、検証までを幅広く扱い、サービス開発だけでなく、ビジネスや組織づくりにも活用されます。
一方、UXデザインプロセスは、ユーザーの体験を具体的に設計・改善するための実践的なプロセスです。すでにあるサービスや業務にUXの視点を取り入れたい場合は、UXデザインプロセスのほうが現場で活かしやすいでしょう。
UXデザインプロセスが重要なのは、ユーザー視点を保ったまま、サービスや業務を改善できるためです。プロセスを意識せずに進めると、作り手の感覚や社内の都合が優先され、実際のユーザー体験とズレが生じやすくなります。
UXデザインプロセスでは、調査やテストを通してユーザーの声を確認しながら進めるため、思い込みによる判断を減らすことができます。その結果「なぜこの設計にしたのか」を説明しやすくなり、チーム内での合意形成にも役立ちます。
また、一度作って終わりではなく、改善を前提に進められる点も大きな特徴です。変化の早い環境の中でも、ユーザーに寄り添い続けるために、UXデザインプロセスは欠かせない考え方といえるでしょう。
ここでは、UXデザインプロセスの基本となる7つのステップを紹介します。それぞれの工程を知ることで、今は何を考え、次に何をすればよいのかが整理しやすくなるはずです。
それぞれのステップについて、順番に詳しく見ていきましょう。
UXデザインプロセスの最初のステップは、プロジェクトの目的と範囲を明確にすることです。「なぜこの取り組みを行うのか」「どこまでUXデザインの改善を目指すのか」などをはっきりさせないまま進めると、途中で判断に迷い、方向性がぶれてしまいます。
たとえば「問い合わせ数を減らしたい」「初回利用時の不安を軽減したい」など、解決したい課題を具体的に整理することが大切です。あわせて、対象となるユーザーや取り組む期間、関わるメンバーの役割も整理しておくと、進行中の判断がしやすくなります。
この段階で目的と範囲を関係者と共有しておくことで、後のUXデザインの設計や改善も同じゴールを意識しながら進めやすくなるでしょう。
次に行うのがユーザー調査です。UXデザインプロセスでは、「ユーザーはどのように感じているのか」「どこでつまずいているのか」を知ることが欠かせません。
調査方法は、大きく「定量調査」と「定性調査」の2つに分けられ、どちらも行うのが基本です。定量調査は、アンケートのように結果を数値として把握できる調査を指します。一方、定性調査はインタビューなどを通して、数値では見えにくい気持ちや行動の背景を言葉で理解していく方法です。
たとえば「操作が難しい」という声の裏には、「どこを押せばいいかわからない」「専門用語が多くて理解しづらい」といった具体的な理由が隠れていることもあります。表面的な意見だけで終わらせず、背景まで掘り下げることが大切です。
ユーザー調査で集めた情報は、そのままでは活用しづらいため、整理する工程が必要です。アンケート結果やインタビューの内容を見返し、共通する意見や行動、感情の傾向を整理していきます。
このステップでは、「どんなユーザーが」「どの場面で」「何に困っているのか」を言葉にすることが大切です。「カスタマージャーニーマップ」を活用すると、利用の流れの中での行動や気持ちの変化を具体的に整理しやすくなります。
調査結果を整理することで、どこから手をつけるべきかが明確になり、課題の優先順位が見えてきます。その結果「なぜこの部分を改善するのか」を説明しやすくなり、ユーザー体験をどう設計していくかを考える次のステップへ迷わず進められるでしょう。
ユーザー理解が深まったら、整理した情報をもとに「ユーザーにどんな体験を届けたいか」を考える段階に進みます。このステップでは、画面や機能を細かく検討する前に、体験全体のゴールを描くことが重要です。
たとえば「初めて使う人でも迷わず操作できる」「不安を感じることなく手続きを終えられる」といったように、ユーザーの行動や感情を軸に理想の状態を言語化していきましょう。こうして描いた体験のイメージが、UXデザインの設計における判断の基準になります。
この段階で完璧な答えを出す必要はありません。仮説を立てながら、できるだけ多くのアイデアを出すことが大切です。体験を言語化しておくことで、次のプロトタイプ作成や改善の方向性もぶれにくくなります。
理想とする体験を描いたら、それをプロトタイプとして形にしていきます。プロトタイプとは、完成形を想定しながら体験の流れや使い心地を確認するために作る試作品のことです。
完成形に近いプロトタイプを用意することで、操作の流れや情報の伝わり方をより現実的に検証できます。また、完成品のイメージが明確になるため、「この機能は本当に必要か」「この導線で迷わないか」といった点について、関係者間で認識を共有しやすくなります。
また、実際に触れる形があることで「思っていたより操作が多い」「説明が足りない」などの気づきも生まれます。頭の中だけで考えるよりも早い段階で課題を発見できる点が、プロトタイプを活用する大きなメリットです。
プロトタイプが完成したら、ユーザーテストを行います。ユーザーテストとは、実際のユーザーにプロトタイプを使ってもらい、操作のしやすさや迷いやすいポイントを確認する工程です。
このステップで大切なのは、正しく使えているかだけでなく「どこで立ち止まったか」「不安そうな様子はなかったか」といった行動や反応に目を向けることです。想定していなかったつまずきが見つかることも少なくありません。
ユーザーテストは完成度を評価する場ではなく、改善点を見つけるための機会です。得られた気づきをもとに修正を重ねることで、ユーザーにとってより使いやすい体験へと近づけていきます。
UXデザインは、リリースして終わりではありません。実際にユーザーが使い始めてからこそ、想定していなかった使われ方や新たな課題が見えてきます。そのため、リリース後も評価と改善を続けていくことが重要です。
利用状況のデータや問い合わせ内容、ユーザーからの声を確認することで「本当に使いやすい体験になっているか」を振り返ることができます。小さな違和感や不満も次の改善につながる大切なヒントです。
環境やユーザーのニーズは、時間とともに変化していくものです。だからこそ、一度設計したUXデザインに固執せず、状況に応じて見直しを行う必要があります。評価と改善を繰り返すことで、ユーザーに寄り添い続けるUXデザインになるでしょう。
ここからは、UXデザインプロセスを成功させるために意識したい3つのコツを紹介します。UXデザイン初心者の方でも取り入れやすいポイントなので、ぜひ参考にしてみてください。
それぞれのコツについて、詳しく見ていきましょう。
UXデザインプロセスでもっとも大切なのは、常にユーザーの視点に立って考えることです。自分や社内の感覚だけで判断してしまうと、知らないうちに思い込みが入り、ユーザー体験とのズレが生まれてしまいます。
たとえば「この説明なら伝わるはず」「この導線なら迷わないだろう」と感じる場面でも、実際のユーザーは違う印象を持つことがあります。だからこそ、ユーザー調査やテストを通して、事実にもとづいて判断することが重要です。
「ユーザーはどう感じるか」「どんな場面で不安になるか」を何度も問い直すことで、UX設計の精度は高まっていきます。自分の感覚を一度手放すことが、よりよいUXデザインにつながる第一歩です。
UXデザインプロセスでは、最初から完璧を目指しすぎないことも重要です。完成度を高めてから確認しようとすると、修正に時間がかかり、改善のチャンスを逃してしまうことがあります。
プロトタイプの段階でも、チーム内のメンバーや実際のユーザーに早めに共有し、率直なフィードバックをもらうことで、新たな気づきが得られます。自分では問題ないと思っていた部分が、ユーザーや第三者の視点では使いづらいと感じられることも少なくありません。
小さく作って、早く確かめ、改善を重ねるサイクルを回すことで、結果的にUXデザインの質は高まります。完璧を目指すよりも、柔軟に修正できる余白を残しておくことが、UXデザインプロセスを成功させるポイントです。
UXデザインプロセスを進めていく中では、調査やフレームワークなど、さまざまな手段を利用する場面があります。しかし、それらを使うこと自体が目的になってしまうと、本来のゴールを見失ってしまいます。
大切なのは「この作業は何のために行っているのか」を常に意識することです。たとえば、カスタマージャーニーマップを作る場合も、作成することがゴールではなく、ユーザー理解を深め、よりよい体験につなげることが目的です。
プロセスはあくまで手段であり、目的はユーザーにとって価値のある体験を届けること。その視点を忘れずに進めることで、UXデザインプロセスは実務の中で活きていきます。
UXデザインは専門職だけのスキルではなく、考え方や進め方を身につけることで、未経験からでも少しずつ理解を深めていけます。大切なのは知識を学ぶだけにとどまらず、実際のサービスや仕事に当てはめて考えてみることです。
ここでは、UXデザイン初心者の方が無理なくスキルを身につけるための、3つの方法を紹介します。自分の状況や目的に合わせて、取り入れやすいものから試してみてください。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
UXデザインを学び始めたばかりの方におすすめなのが、身近な既存サービスを観察し、「なぜこの設計になっているのか」を考えてみることです。特別なツールや知識がなくても、すぐに取り組めます。
たとえば、アプリやWebサイトを使いながら「なぜこの順番で操作するのか」「なぜこのタイミングで案内が表示されるのか」といった点に注目してみましょう。ユーザーが迷わず行動できるよう、意図的に設計されていることに気づくはずです。
感じたことを言語化して整理することで、UXデザインの考え方が少しずつ身についていきます。まずはユーザーの視点でサービスを観察し、使いやすさの理由を考えることから始めてみましょう。
UXデザインの基礎を理解するには、本やセミナーを活用した独学も有効です。UXデザインの考え方やプロセスを体系的に知ることで、断片的だった知識がつながりやすくなります。
書籍は、UXデザインの基本概念や代表的な手法を自分のペースで学べる点がメリットです。一方、セミナーや勉強会では、実務での事例や他の参加者の視点に触れられるため、理解が深まることもあります。
ただし、独学は知識を身につけて終わりやすい点には注意が必要です。学んだ内容を自分の仕事や身近なサービスに当てはめて考えることで、実践につながる学びになります。
UXデザインを仕事で活かしたい場合は、オンラインスクールで基礎から体系的に学ぶのもおすすめです。プロセス全体を順序立てて学べるため、何から手をつければいいか迷いにくくなります。
女性向けキャリアスクールSHElikes(シーライクス)では、Webデザインの基礎からUI/UXデザインまで、デザイン分野を幅広く学ぶことができます。「UXデザインコース」も用意されており、未経験からでもUXデザインの考え方や設計プロセスをわかりやすく学べる点が特徴です。
動画で自分のペースで学べるほか、実践的な課題を通してアウトプットできるため、理解した内容を仕事に活かしやすいでしょう。独学に不安がある方や体系的にUXデザインを学びたい方は、ぜひSHElikesの活用も検討してみてください。
UXデザインプロセスを理解することで、これまで感覚的に行っていた改善や判断に、理由や根拠を持たせることができるようになります。ユーザーを理解し、体験を考え、検証と改善を重ねていく考え方は、日々の業務の中でも少しずつ取り入れることができます。
まずは「目的を整理してみる」「ユーザーの声に目を向けてみる」など、小さな一歩からUXデザインの視点を取り入れてみましょう。実践を重ねる中で少しずつ理解が深まり、仕事の見え方が変わってくるはずです。
もし「一人で学ぶのは不安」「基礎からUXデザインを理解したい」と感じた場合は、スクールを活用して体系的に学ぶのもおすすめです。SHElikesでは、Webデザインの基礎からUI/UXデザイン、データ分析まで、幅広いスキルを学ぶことができます。全50以上の職種スキルが定額で学び放題なので、自分のペースで学習を進められる点も魅力です。
興味がある方は、ぜひ一度SHElikesの無料体験レッスンに参加してみてくださいね。
この記事のライター
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SHEsharesは、女性向けキャリアスクールSHElikesが運営する、自分らしいキャリアのヒントが見つかるライフスタイルメディアです。Webデザインやライティングなど、未経験からスキルを身につけ、理想の働き方を叶えた女性たちのインタビューを豊富に掲載。キャリアチェンジの成功談や仕事事例などを通じて、一歩踏み出したい女性の背中を押し、新しい生き方のきっかけを提案しています。
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