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“料理家さんちのきちんとごはん” 大根1本使い切りレシピ!

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冬大根の季節です。冬の大根は1年で最も甘みが強く、水分を多く含むため、料理を選ばず美味しくいただけます。我が家は夫婦二人ですが大根は丸ごと1本買います。すぐに食べきれない分は即席漬けに。根は煮物やステーキなどに。皮はきんぴら。葉はつくだ煮や菜飯に。今回は大根を1本使い切れるレシピをお届けいたします。 


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目次

このレシピを試すのにかかる時間

  • 大根葉の菜飯 5分  
    大根ステーキ 黒酢ソース 25分
    いか大根 60分
    柚子大根 20分(大根を干す・漬ける時間はのぞく)
    大根の皮のすっぱいきんぴら 15分

大根は部位によって味が違う!部位による使い分け

大根は部位によって甘みや辛みが違います。それぞれの持ち味を生かした使い方をすると、大根をより美味しく楽しむことができるようになります。葉に近い方が甘みが強く、先にいくほど辛みが強くなります。葉に近い方はサラダや大根おろしに。中心部はステーキや煮物に。先は固さも出てきますので、炒め物や干し大根にするのがおすすめです。

冬の大根は全体的に甘みが強いのでかなり先の方まで煮物に使えることも多いです。

大根の葉が主役“大根葉の菜飯 ”

大根の葉は緑黄色野菜に匹敵する栄養素がそろっています。食べないなんてもったいない!

今回は大根の葉の色と香りを活かした“菜飯”をご紹介します。上品な味わいなのでお客様にも喜んでいただけますよ。

材料(4人分)

ごはん 4杯分
大根の葉 100g
塩 小さじ2/3
白ゴマ 適量      

作り方

① 大根の葉は塩を加えた熱湯で茎から固めに茹で、冷水にさらす。細かく刻み、水気をしっかりキッチンペーパーでふき取る。ごはんに混ぜる約3分前に大根の葉に塩を混ぜ合わせる。

② 炊きたてのごはんに①を混ぜ、白ゴマをふる。

ポイント

◆大根の葉に塩をふるタイミング!塩を混ぜてから時間が経つと漬物のような風味になってしまうので合わせる少し前にしましょう。

◆スーパーでは葉付の大根が売っていないことも。段ボールに入れて出荷ができないので切られてしまうことが多いのです。産直などに足を運ぶと葉付の大根に出会えます。

下茹で不要!香ばしさが決め手の“大根ステーキ 黒酢ソース ”

焼いた大根は香ばしい香りが出て味が濃いのが特徴。煮物や生食とは全く違った楽しみ方ができるもの。

時間はかかりますが下茹で不要なので、洗い物は少ないのです。焼いている間にほかの料理を作ることができます。是非気軽に作ってみてください。

材料(4人分)    

大根 10cm
油 小さじ2
A黒酢 小さじ2
A醤油 小さじ2
Aはちみつ 小さじ2
A水 小さじ2
あさつき 適量

作り方

① 大根は2.5cm厚さの輪切りにし、皮を厚くむく。片面に幅3mm、深さ2mmの切込みを格子に入れる(飾り包丁なので省略してもよい)。あさつきは小口切りにする。Aを合わせておく。

② テフロンフライパンに油を熱し、飾り包丁を入れた面を下にして大根を入れ、中火で約8分焼き色が付くまで焼く。焼き色がついたら焼き色が付いた面を上にし、大さじ2の水を加え蓋をして中火で約15分、竹串がやっと通る固さになるまで加熱する(焦がさないように時々見る)。

③ 蓋をはずし、再び飾り包丁の面を下にして水分がなくなるまで中火で加熱する。大根を取り出し、合わせておいたAを同じフライパンに入れそのまま中火で加熱する。沸騰し大きな気泡が出てきたら少し混ぜ火を止める。

④ 皿に大根をのせ、上に③のソースをかけ、あさつきを散らす。

ポイント

飾り包丁を入れることでソースの絡みと見た目がよくなります。

アレンジ

大根を③のステーキにしてから煮物や炒め物にすると香ばしさが加わっていつもの料理も一味変わって楽しくなります。黒酢の代わりにバルサミコ酢を使ってもまた風味が変わって美味しいです。

おふくろの味“いか大根” 

味がしっかり染み込んだいか大根。大根の下茹でにポイントが。時間はかかりますがその分深い味わいになります。

材料(4人分)

大根 500g
いか 1杯
米のとぎ汁 1リットル
生姜の薄切り 4枚
A出し汁 300ml
A醤油・みりん・酒 各大さじ2
柚子の皮 繊切り・適量
青ネギ 斜め細切り・適量

作り方

① 大根は皮を厚くむき、面取りする。米のとぎ汁で串がすっと刺さるようになるまで下茹でし洗っておく(ここで時間が空く場合は茹で汁に漬けておき、煮る直前に洗いましょう)。

② いかをおろす。胴とエンペラは皮つきのまま2cm幅の輪切り、足は吸盤を外し、4cm長さに切る(内臓は使いません)。

③ 鍋にAと①の大根を入れて強火にかける。沸騰したらいかの足を加え中火にする。灰汁をとり、落とし蓋・蓋をして30分煮る。いかの胴を加え灰汁をのぞき、さらに4分加熱する。一度冷まして味をしみこませる。

④ 皿に盛り付け、好みで柚子の皮と青ネギを添える。

ポイント

◆大根はとぎ汁で茹でることでえぐみがとれて甘みが増し、よい香りになります。また下茹でをすることで味が入りやすくなるります。いかを加えると灰汁が出るのでタイミングを見てしっかり灰汁をとり火加減を調節すると美しく仕上がります。

◆冷まして味をしみこませることを鍋置きといい、冷めるまでおくことで美味しくなります。

◆冷蔵庫で3日保存可能。

アレンジ

いかの代わりに鶏肉や豚肉でも美味しくできます。

食べきれない大根は干して!“柚子大根”

干した大根は独特の歯ごたえが生まれ、味が濃くなって生の大根とはまた違った楽しみ方ができるもの。

2週間保存できますのでたっぷりつくると便利ですよ。

材料(作りやすい量)

大根 800g
柚子皮 1/3個分

【甘酢】
米酢 250ml
水 200ml
砂糖 150ml
塩 大さじ2/3

【立塩】
水 500ml 
塩 大さじ1

作り方

① 大根は皮をむき、1.2cm×4cmの拍子切りにし、天日で2~3日、大根がしわしわになるまで干す。(写真左)

② 立塩の材料を大きめのボウルに入れて塩を溶かしておく。①の干し大根を入れて10分漬け、水けを絞る。

③ 甘酢の材料を鍋に入れて沸騰直前で火を止め、箸などで混ぜて砂糖を溶かし、冷ましておく。

④ 甘酢の半量に③の干し大根を漬けて20分以上おく。取り出して甘酢を絞り、残りの甘酢に漬け、柚子皮の繊切りを加える。2時間以上漬ける。

ポイント

◆冷蔵保存…漬け汁に漬けたまま2週間。

◆大根を干すことでたくあんのような歯ごたえのよい食感が生まれます。立塩につけることで大根独特の臭みが消える。

地味なのに教室で人気のレシピ“大根の皮のすっぱいきんぴら”

毎日少しずつ出る大根の皮を冷蔵庫で保存しています。煮物や焼き物は皮を厚く向いた方がおいしいので捨ててしまってはもったいない。ある程度たまったらきんぴらに!作っておけば冷蔵庫で4日ほど保存がききます。

材料

大根の皮 煮物の残り
大根の切れ端 煮物の面取りの残り
油 適量
輪切り唐辛子 適量
砂糖・醤油・酢・すりごま 適量

作り方

① 大根の皮は太めの繊切りにする。

② フライパンに油、唐辛子を入れて弱火で熱し、唐辛子がチリチリしてきたら強火にし大根の皮と切れ端を加えてさっと炒める。砂糖・醤油を加えて水分がなくなるまで混ぜながら加熱し、酢で味を整え仕上げにすりごまを混ぜ合わせる。

ポイント

調味料の分量は味を見ながら調節してください。砂糖1・醤油1.5・酢1くらいの割合です。仕上げのすりごまはコクと香りが加わり、後から出る余分な水分を吸収してくれますのでたっぷりと。彩り良く仕上げたい場合は人参を少し加えるとよいでしょう。

冬に美味しい大根。丸ごと1本買ってきて、是非丸ごと使ってくださいね。

家庭料理は無駄なく美味しく、健康に。料理家シトロン ヨーコの毎日のごはんづくりの工夫が皆様の食卓を豊かにするヒントになりましたら幸いです。



この記事のライター

Citronヨーコ

料理研究家Citronヨーコ。神奈川県横浜市たまプラーザで料理教室PetitCitronを主宰。フランス料理・和食・イタリアン・豆腐料理をベースにした家庭料理が専門です。四季をいかした梅干・ラッキョウなどの保存食つくりも年間を通して大切にしています。世界・日本各地の生産地を廻って美味しいものを求め歩くのもライフワーク。シェフを呼んでのレッスンや年に数回、レストランでの食事会も主宰しています。フランス2つ星レストラン研修・豆腐マイスター協会理事。

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